
北信濃につまり長野県の北部に蔵の町須坂市がある。町内には昔のままの蔵がいくつもあり風情のある佇まいで観光客も多い。
そこにお住まいのH氏のお宅に一年分の玄米を納品させて頂いた。
一年の一度H氏のお宅に訪問するのが自分にとっても年中行事になっている。須坂の旧家のお宅ということで屋敷の中に立派な蔵がある。
蔵は一年中、温度湿度共に一定に保て米をはじめ穀類などの貯蔵にはとても優れている。今はそのデザインの美しさなどがウケ、中を改装し居酒屋や喫茶店など店舗として利用しているところもある。
今はスーパーなどに行けば一年中米を買うことができるが昔は秋になり一年分の米が蔵に入ると安心して年越しができるという話を聞いた。それだけ米は貴重な生活物資だったということだろう。
一年に一度、立派な蔵に足を踏み入れ米を積むと、不思議と今年も無事収穫も終わったんだなぁと実感する。田んぼでの作業は機械化され昔とは様変わりしたがこの米蔵は昔のままだ。日本人のライフスタイルもずいぶん変わったが蔵は今もその機能を果たし、今でも日本人の心に訴える何かがある。だから今でも蔵を見ようと観光客が押し寄せ、その魅力に惹かれるのかもしれません。